腹黒王子様とお見合いした結果
先生がいなくなったのを確認してから陸人さんをにらむ。
「別に。紹介してもらった通りだけど?それよりも。千草に話しかけてたの、誰?」
「あれは中条君って言って..ってそんなこともよりも!!」
「へえ中条…」
「陸人さん、聞いてます?私は!私は陸人さんが
ここにいるのが不思議で不思議で」
「千草、混乱してるんだろ?」
「そうです!混乱してます!誰でも混乱するでしょう?
こんなところに来ていきなり..」
「驚かせようとした俺の作戦は成功したってわけだな」
陸人さんが満足げに笑う。
満足げにされても困るのに!
しかも中条君に陸人さんを会わせるわけにもいかないし。
人の苦労をこの人は全く何も分かっていないんだから。
「とにかく、陸人さん早く仕事に戻ってくださいよ。
どうせこっちにはもう来ないんでしょう?」
「まあな。仕事があるのは本当だが..ここにはもう来る用事はない」
「それなら早く仕事に戻ってください」
「はいはい、戻るよ」
歩き出そうとする陸人さんの腕を掴んだ。