腹黒王子様とお見合いした結果


先生がいなくなったのを確認してから陸人さんをにらむ。


「別に。紹介してもらった通りだけど?それよりも。千草に話しかけてたの、誰?」

「あれは中条君って言って..ってそんなこともよりも!!」

「へえ中条…」

「陸人さん、聞いてます?私は!私は陸人さんが
ここにいるのが不思議で不思議で」

「千草、混乱してるんだろ?」



「そうです!混乱してます!誰でも混乱するでしょう?
こんなところに来ていきなり..」


「驚かせようとした俺の作戦は成功したってわけだな」


陸人さんが満足げに笑う。

満足げにされても困るのに!
しかも中条君に陸人さんを会わせるわけにもいかないし。


人の苦労をこの人は全く何も分かっていないんだから。

「とにかく、陸人さん早く仕事に戻ってくださいよ。
どうせこっちにはもう来ないんでしょう?」

「まあな。仕事があるのは本当だが..ここにはもう来る用事はない」

「それなら早く仕事に戻ってください」

「はいはい、戻るよ」


歩き出そうとする陸人さんの腕を掴んだ。

< 174 / 206 >

この作品をシェア

pagetop