腹黒王子様とお見合いした結果
「お前が他の男に触られたりしたらって..想像するだけでむかつく」
「なんですか、それは」
「俺も約束守ってんだからな、お前もちゃんと守れよ?」
「守るって?」
「他の男に触れないっていうヤツ」
「そ、そんなの」
「無理、とか言うなよ」
陸人さんの手が私の髪に触れて優しくといていく。
その間も、心音がせわしなくどくどく激しく動いている。
ふと顔を見上げた先には陸人さんの意地悪な笑顔。
「なあ千草。約束してくれ。他の男に触れないって」
「…頑張ります」
「特に、あの中条ってやつ…」
「へ?中条君?」
「何でもねえよ、とにかく、約束だからな」
「陸人さん?」
「男はみんなオオカミだって事、お前は知らないだろうし?」
「何ですか、それは」
「とにかく!約束だ」
「分かりましたよ」
陸人さんは私の答えを聞いてすぐに行ってしまった。
本当にここには私を驚かしに来ただけらしい。
実際はゴルフ工事だって陸人さんが
直接するわけじゃないしね。
昌ちゃんのもとに戻るとにやにやしながら私の背中をぽんぽんたたいた。