腹黒王子様とお見合いした結果
やばい
咄嗟に怪我をした指を後ろに隠してしまった。
「いや、そろそろ俺に会いたくなったかなと思ってな」
どこまで自信過剰なんだろう、
この人は。
会いたかったよ、話がしたかったよ。
あの事がなければ。
「千草?」
「あ、ハイ。会いたかったです。すごく」
今の私はちゃんと
普通に話せてる?
表情とかおかしくない?
「千草」
そっと手を出されて素直に陸人さんの手に自分の手を重ねる。
「どうした?この手」
あ、しまった。
引こうとした手は強く握られて動かせない。
「怪我したのか?」
「は、はい!そうなんです。包丁で指を切ってしまって…」