腹黒王子様とお見合いした結果

何とか振り払って陸人さんを追いかけ、駐車場でやっと陸人さんをつかまえる事が出来た。


「あの、陸人さん、私。ごめんなさい。
約束を、破るつもりは無かったんです。
怪我をした私の指を中条君が」

「いい」

「よくないです!ちゃんと説明させてください!」


「聞きたくねーし、知りたくねー」


「陸人さん!!」


「お前が何を言ってもそれは事実だろうが!大体俺は言ったよな、あいつに気をつけろって」

そうだ。

陸人さんが言ってくれたのに。

忠告してくれたのに。

私は…


陸人さんはそれ以上何も言わないまま、車のキーを出して無言で乗り込んだ。

私は去って行く車をただ見つめていることしか出来なかった。




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