腹黒王子様とお見合いした結果
なんだ、簡単なことじゃない
幸い、今は本社にいるみたいだし。このまま行ってしまおう。
制服で行くのは気が引けるけれど、
迷っている時間はないしね。
電車に乗って数十分、それから歩いて徒歩5分くらいした所に
陸人さんの会社が見えてきた。
なんて大きな会社なんだろう
お父さんの会社も大きいけれど、陸人さんのところはそれ以上だ。
さすが陸人さんのお家。
九十九さんにメールを送って会社の中に入った。
「あの、すみません。蓮見社長に面会したいのですが」
受付でそう伝えたけれど、お姉さんは不思議そうな顔で私を見る。
「失礼ですが、お約束は?」
「約束…はしてないですけど」
「申し訳ありません。お約束のない方とは…」
だよね。
たとえ九十九さんに伝えていたとしても。
私と陸人さんが結婚していても。
私はここではただの子供なんだ。