腹黒王子様とお見合いした結果
新しい気持ち
「昔は人を愛せるか分かりませんでしたけどね。やはり想い、想われている相手が傍にいてくれるのはいい事ですね」
私が陸人さんを好きだなんて…
ないないっ!そんな事、あるわけない。
よね?
「おい、何見てんだよ」
はっと我に返ると、陸人さんが嫌そうな顔をして私を見ている。
「べ、別に何でもないです。あ、醤油とってもらえますか?」
今日は珍しく帰りが早かったので晩御飯を一緒に食べることになったんだけど。
どうも九十九さんの言葉がぐるぐると回っていて、意識してしまう。
陸人さんは、私をどう思ってるんだろう?
ただの紙切れ一枚で契約した奥さん?
少しは私を意識してくれてる?
「おい!醤油!!」
「あ、ありがとうございます」
私ばっかりドキドキしちゃってイヤになる。