腹黒王子様とお見合いした結果


中条君は立ち上がるとポケットから用紙を取り出した。



それは私が返して欲しい、大切なものだ。


「か、返して、中条君!」

「君が質問に答えなければこれは渡せないよ」

「結婚、するよ。親が勝手に決めたお見合い相手だけど」


私は今、自ら進んで、この道を選ぼうとしている。
その理由は分からないけど。


「そう」

「でもいいの、私」

「残念ながら認められないね」

中条君はそう言うと、婚姻届を二つに破いた。


ビリビリと、音を立てて。



「や、やめてよ!どうしてそんなことをするの!?」


「さて、どうしてでしょう?」



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