腹黒王子様とお見合いした結果


「別に普通の男子だよ。成績もいいだろうし、スポーツもできる。
誰にでも優しいし、女子からも男子からも好かれてる、って..俺もこれくらいしか
知らないんだけど」

やっぱりそうか。私が知っている以上の事は何も出てこない、か。
私も今まではそう思っていたけれど。でも朝のあの言葉。あの態度。
冷たい目。

きっと絶対に私に何か恨みがあるんじゃないかって思う。
だけど見当たる事なんて一つもないし、何よりきちんと話したのだって昨日が
初めてなんだ。



結局それ以上の情報を得られないままお昼休みは終わってしまった。



授業中。先生が板書しているときに何度も中条君が気になってしまって
どうしても視線がいってしまう。



クラスメイトで、誰にでも優しくて人気がある中条君。
私が見たのは幻?なんだろうか?



駄目駄目、とにかく今は婚姻届の事を考えないと。



新しくもらって書かないと。


せっかく蓮見さんの分まで記入してもらったのに。


破れた婚姻届なんて多分使えない。


お父さんも蓮見さんも今は海外だ。



こうなった今、私に頼れるのはあの人しかいない。

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