嘘つき少女は君を愛せなかった
・・・いつしか、あいつといる時間が

嫌じゃなくなってきた。

べ、別にみとめたとか、すきとかじゃないんだけどね!?

はあ・・・

そしてとうとう来た、中間テスト。

ドキドキしながら受けたけど、

あっという間に終わっちゃった。

テストの翌日。

ばっちり、目の下にクマを作りながら、

辰巳が聞いてきた。

「なあ、昨日の数学の最後の問題、とけふわぁぁ・・・た?」

「あくびは手で隠せ!・・・んー、

まあ、たぶんあってる。あ、もしかして、

辰巳解けなかったとかあ?」

思いっきり、嫌味っぽくいうと、

辰巳はむすっとしてそっぽ向いた。

「別にいいじゃん、馬鹿でも!」

おっもしろーい。

よし、もっと面白くしよう。

「今日の昼飯、櫻井さんも・・・」

「え、ええ!?いや、そそうなの??!」

クククッ

「う、嘘なのかよ!なんだよ、もう・・・」

あんたが面白いからいけないんだ。

それにしても、一週間後の昼休みか、結果発表。

絶対に、1位とるんがから・・・!

「お、岡山!」

急に降ってきたのはクラスメートの

濱中 みどり(ハマナカ ミドリ)の声だった。

聞いたところ、演劇部らしく、よく通った声の持ち主だ。

「櫻井が話しあんだって!だから、え、えと・・・」

「き、きてくださいっ!」

うしろからひょっこり顔を出した櫻井さんは顔面真っ赤だった。

「辰巳、早く行ってこい。HR遅れたら、先生に言いつけてやるから。」

私がにやっとすると、辰巳は真面目顔で強く頷いた。

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