嘘つき少女は君を愛せなかった
怖いくらいの真顔で私を、見つめる夏目。

「無理だよ、俺たちはもう、別れられない・・・。」

こっちを向いた夏目はふっと笑い、ふらっと立ち上がった。

そして、私の横をすっと通り抜けていく。

「大嫌い。」

****

昼休み。

「矢崎さん大変そうですね・・・」

「「大変そう」じゃなくて、

「大変」なの。あと、敬語やめて。」

「ルイちょーふきげ・・・くないよねえ。ははは・・・」

ギラギラとした目つきで、辰巳を睨む。

あいつ、マジ許さん・・・

地の果てまで追って懲らしめたい・・・

「矢崎さん、て、手!」

あ・・・

見れば、手に力を入れすぎて、コンビニのサンドウィッチが潰れてしまった。

今日は初めて梨花子ちゃんと辰巳以外とメシを食べる。

そう、櫻井さん。

辰巳と付き合ったかどうかは定かではないが

穏やかそうな顔を見る限り・・・

あ~、やだやだ。

幸せそうな人たち見るとイジメたくなっちゃう。

とくに自分が不幸だと・・・

「具、落ちてます―--」

「敬語すんなっつてんだろ。」

「ひぃぃぃぃぃぃィ・・・!!」

イラっとして思わず睨むと、櫻井さんは気絶しそうな顔でこっちをみつめてきた。
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