嘘つき少女は君を愛せなかった
「・・・は?おまえなにいってんの?」

「岡山くん酷い!陽介が、

この陽介が浮気するはずないじゃないッ!」

そんな、修羅場という言葉が

ピッタリ当てはまりそうな会話の後、

パチン!という、痛々しい効果音が聞こえた。

ククク・・・

「も、しかして・・・。ルイまた嘘ついたな!?」

「・・・知らないし。」

私がふたりの間をす道理すると

「はああ~」という、ため息が聞こえてきた。

そんな大きなため息ついたら、幸せ逃げるよ~?

私は、クスクス笑いながら

転落防止のフェンスにもたれるようにして座った。

「嘘つき少女もいい加減にしろよ?」

「まだ、始まって1ヶ月ですが?」

と言っても、中学でも何かと法螺吹いていたけど。

「あ、あと勝負のこと忘れてないよな・・・?」

「勿論。」

何故、そんなこと聞くのか・・・

もしかして・・・

「あんたさ、櫻井のこと好きなわけ?」

「はあああ!?んなワケあるかよ!?た、ただお前が知らばっくれると、こ、困るから・・・!」

必死に弁解しようとしている辰巳だが、

もはや後の祭りだ。

「ふ~ん」

それにしても、辰巳に好きな人が居るのは非常にまずい。コイツ、意外にもカッコイイと好評だから、

告白一発で付き合うということもありうる。

何か、手を打たねば・・・

「頭いい人に数学教えてもらおうかな~。

あ、そうだ!ネットの咲高掲示板で、

頭いい人聞いてみよ!」

キーンコーンカーンコーン・・・
  キーンコーンカーンコーン・・・

「あ、予鈴鳴っちゃった!陽介いこー」

チャイムが鳴る前の畠山さんの独り言を聞き、

いいことを思いつく。

・・・試してみる価値アリだね。

私は不敵に微笑んだ
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