嘘つき少女は君を愛せなかった

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✽✽✽

夏休みはひどく暇だった。

まあ部活もやってないし、アタマも悪くはないから補習もないし。

これといった予定も辰巳と櫻井さんとの旅行だけだ。

「あー…暇だな。だれかーだれか…」

LINEの『友達』をみるが、切ないことにスクロールするほど友達がいない。

辰巳、梨花子ちゃん、お母さん…

「…夏目。」

やっぱり入れるべきではなかった。

こいつの名前を見るだけで胸がもやもやする。

最悪だ。

ビイイイィィ!

ドキィン!!

「夏目?!」

LINEの通知が来たのだ。

『会いたいよーひまひま』

別に好きでもないのに会いたいとかなんなんだ。

夏目がよく、わからない。

「…たまには優しくしてやるか。」

きっと数カ月前の私ならこんなこと思わなかっただろう。

私、どーなっちゃったんだろ…

『たまにはいいよ』

即読。

『やった!』『今家の前にいるからはいるね』

はっ?!

やっぱりこいつ不審者だったんだ…!
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