嘘つき少女は君を愛せなかった
あの時点で気づいておくべきだった・・・。

「あんた、彼氏になりたいってやつ?」

「そうだよ?

 いや~、嘘つき少女が彼ぼとは。ふふっ、面白いね。」

ちょっと可笑しそうに笑う、夏目。

「こっちにも、色々事情があるの。」

私がぶっきらぼうに言うと、

夏目は「ふ~ん」とつまらなそうに呟いた。

「まあ、そんなのどうでもいいや。
 
俺さ、俺のこと好きな女に飽きたの。

一度付き合うと、しつこく付きまとうし、デートとか
 
キスしようとかうるせえの。

だから、ネットで彼ぼしてる、

俺のこと好きじゃないかも知れない

「お前(だれか)」と付き合おうと思ったんだよ。」

そう言って、少しにやける。

「お前、俺のこと好き?」

なんだ、そんなことか。

「大好きだよ。愛してる。」

軽薄な笑顔で伝える。

「なるほど。

 じゃあさ、俺と付き合お?」

「あ、そ。いいよ。」

ほんとはいや。だけど、

あいつといられなくなるのは・・・

もっと嫌なんだ。



「あ、言っとくけど、1ヶ月だから。」

「気に入ったら離さないから。」

私のことをきにいる・・・?

それは絶対ないな。

私は今度は「本当の笑顔」でフッと笑い「よろしく」と手

を差し伸べたのだった。
< 7 / 43 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop