嘘つき少女は君を愛せなかった
あのあと、メアドとか

色々交換したあと、「お昼は絶対一緒に食べない」

と何回も繰り返し、やつと下へ降りた。

はじめての彼氏があいつなのは、

尺に触るけど1ヶ月だけだし、

まあなんとか持ちこたえよう。

「おはよう、岡山くん!」

「ごめっ急いでる!!ルイ、どういう意味アレ!!」

焦ったような声をだし、

教室の一番窓際、前から3番目の席へ来る。

そこは私の席だ。

「だからそのままの意味。

ちなみにもう彼氏できたから、私の勝ちね。」

私はちょっと、態度でかめに言う。

「まじかよ・・・。で、飯どうすんの?」

膝に手をついて、はあはあ言いながら聞く。

どうやら走ってきたようだ。

「ん、何時も道理だけど?」

「え、彼氏と食べないの!?」

「だって1ヶ月限定のどうでもいいやつだもん。」

「かわいそ~、彼氏・・・。」

そうかな?
あっちの方が随分生意気なこと

言ってたような気がするけど。

「てか、櫻井さんの方が、可哀想でしょ?

せっかく、挨拶してくれたのに。」

そう言いながらちらっと後ろのドアの方を見る。

他の女の子達と喋っていて、

なぜか困ったように苦笑していた。

「助けてあげれば~。

てかさ、謝ればいいじゃん、まず。」

私が辰巳に視線を移し、そうぼやく。

「そうだね。」

辰巳も苦笑し、彼女達の方へと歩いて行った。
なぜか、ちょっとだけ、

ほんのちょっとだけその後ろ姿が切なく見えた____。




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