時空(とき)を越えて KA GU YA【前編】
輝夜と一緒に過ごすことが
こんなにも幸せだなんて。
『あのね、今日
学校にフェアリーが来たの』
「フェアリーが?」
『うん、お花のお世話を
手伝ってくれたの』
ドレッサーの端っこに座り
羽を休めていたフェアリーが
こちらを向いて微笑んだ。
あのフェアリーだ!
スズランの花のような髪飾りで
直ぐに分かった。
「そうか、愛舞のことが
気に入ったんだね」
「フェアリーは俺達の世界でも
フレアという花を育てているんだ」
「フレアの花粉が
希望の光になるんだよ」
「フェアリーは真実の愛を求めて
旅をしてるって前にも話しただろ?」
「フェアリーの魔法と
真実の愛が重なり合った時
奇跡が起きると言われているんだ」
『…奇跡?素敵だね』
「そうだ!今夜
俺達の世界へ行ってみようか?」
『えっ!?ほんと!?』
「うん、行こう!」
そう言って、輝夜は
私を抱き上げた。
『…えっ!?い、今っ?!』
突然、輝夜の身体が熱を帯び
金色に輝き出した。
全身に纏っている光の粒は
眩しい程の光を放ち
熱い!!…と感じた瞬間
輝夜の背中から大きな翼が現れた。
大きく広げた、その翼には
熱を帯びた光が宿り
強いエネルギーを感じた。
輝夜…