時空(とき)を越えて KA GU YA【前編】
正直、今日はもう
お別れなのかと思ってた。
まだ一緒に居れるんだ!
嬉しい。
『行って来まーす!』
今日も時間ギリギリ!
「おはよう、月の瀬」
『…か、嘩純くんっ!』
『嘩純くん、遅めなんだね』
「オカンのとこ寄って来るから
いつもこんな時間なんだ」
『お母さんのところに?毎日?』
「そうだよ!」
『優しいんだ』
嘩純くんのご両親は、去年
交通事故に遭われた。
お父さんは亡くなってしまい
お母さんはずっと入院している。
嘩純くんと弟さんは
おばあちゃんのお家で
一緒に暮らしているらしい。
「月の瀬、校門閉まるよ!」
『…えっ?きゃあーっ!!』
私達は、慌てて走った。
『「セーフ!!」』