櫻の王子と雪の騎士 Ⅱ
キイィィーーン
金属が弾かれた音
その音で、シェイラはそっとまぶたを上げた。
そして目を疑う。
視界を覆う、真っ白な何か
それは徐々に形をなして
やがて1人の人となる
シェイラは思った
これは幻覚だろうかと。
君に会いたいと、
何度も何度も願ったからだろうか
いるはずのない君が今、目の前にいる
自分で、自ら遠ざけた
愛おしくてたまらない
白亜の女神
そこにいたのは
見間違うはずもない
ルミア・プリーストン
本人だった