き み さ え い れ ば 。

side荻野

「……ん」


目蓋が重い。
目が開けられない。
口がカラカラに渇いて声が出ない。
身体が重い。
ダルい。

ここは、どこだ?
家か?会社か?
変な格好で寝てしまったのか?
身体が動かないのは何でだ?

意識が少しずつ浮上していく。

首が少し動いた。
腕も少し動いた。


「っ、」


重い目蓋を開くと
眩しい光が目をついた。

朝か?
今、何時だ?
何してたっけ?

薄く開いた目で回りを見る。

白い天井にレールにカーテン?
俺の部屋はこんな天井じゃないはず……

右腕には管のようなものが繋がれていた。

左腕には少しの重みと
左手には何かを握っているような感触。



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