き み さ え い れ ば 。

『どうして倒れるまで無理するんですか!
どうして自分だけでしようなんて
抱え込むんですか!
どうして周りに頼らないんですか!
どうして……!
わたしじゃ力になれなくても!
……ほかの人にでも!』

「ちょ、春佳、落ち着いて」

『落ち着いていられますか!
倒れてるのを見て!
過労だなんて!
そんな……そんなのありますか?
いくら自分で全部やろうと思っても
倒れたら意味ないんですよ!
今までがんばってたことも
倒れたことですべて無駄になるんです!
そのフォローで走り回るのは
部のみんななんですよ!』


そうだ……
俺が倒れて、仕事はどうなった?
会議は?


「俺……会議は?え?
今日、何日だ?てか、今、何時だ?」


仕事行かないと!
と、起き上がろうとした途端、
今度はもっと大きな声が響いた。



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