き み さ え い れ ば 。
『いい加減にしてください!
そんな状態で仕事出来るわけないでしょ!
荻野さんのバカ!』
「バカって……
でも、俺が行かなきゃ、
俺のクライアント、俺しか」
『荻野さんがいなくても仕事は回ります!
荻野さんに合った仕事はあっても
荻野さんにしか出来ない仕事なんて
ありません!
部のみんなを舐めないでください!
わたしを舐めないでください!』
「別に、舐めてなんか……」
『1日休んだらよくなったとでも
思ってますか?
このまま会社行って
今まで通り働けるとでも思ってますか?
それを許すとでも思ってますか?』
ありえません!!
と、泣きながら叫んだ。
「春佳……」
『わたしが……わたしなんかが、
手伝えるとは思ってません。
捌ける量だとも思ってません。
でも、荻野さんひとりで
仕事してるんじゃないんです。
助けてくれる仲間がいるんです。
頼ってください。
お願いだから……無理しないでください』
春佳が、こんなに感情を露にして
本気で怒って泣いているのを見るのは
初めてだった。
*