き み さ え い れ ば 。
『その人とは、別れました。
わたしと一緒にいても
その人が幸せになれないと思ったから。
一緒にいたいと言ってくれたのに……
無理しないでいい、そのままでいい、
そう言ってくれたのに……
それを信じることが出来なかった』
でも……
『別れてから、
気付いたことがあるんです』
ずっと下を向いていた荻野さんが、
顔を上げてこっちを向いた。
『好きなんです。』
「え、」
『わたし、荻野さんが好きなんです。』
「春佳、」
『好きだから、告白してもらったとき
はいと答えたはずなんです。
でも、あの頃は、好きだからとゆうより、
荻野さんとの関係を壊したくないから
ってゆう思いの方が強かった気がします。』
「関係……?」
『先輩後輩、仲のいい男友達、
何でも話せる大切な存在、
そう思っていました』
*