き み さ え い れ ば 。
それは、間違いだった。
『ほかの誰かと一緒になって
荻野さんに幸せになって欲しかった。
ひとりにしたかったわけじゃないのに……
仕事のマイナス面も重なって
どんどん追い込まれていく
荻野さんを見て、
こんなことがしたかったんじゃない
と思ったんです。』
誰かと、じゃなく。
誰かが、じゃなく。
『わたしが荻野さんを幸せにしたい。
わたしが荻野さんと一緒にいて
幸せだと思えたあのころのように、
荻野さんに幸せだと
思ってもらいたいんです。』
「春佳、それは……」
『今になってこんなこと言っても
遅いかもしれないけど……
荻野さん、わたしと付き合ってください』
*