き み さ え い れ ば 。
少しの間、沈黙に包まれた。
あぁ、やっぱり、
こんなときに言うことじゃなかった。
今さら言うことじゃなかった。
そう思っていたら、
「春佳は、それでいいのか?」
荻野さんが口を開いた。
『どうゆうことですか?』
「春佳の気持ちは嬉しい。
俺のこと、ちゃんと考えてくれてるんだって
わかったのも嬉しい。
でも、俺と一緒にいたら
また先のことを考えさせて
無理させるかもしれない。
嫌な思いさせるかもしれない。
俺が春佳のこと好きなのも
一緒にいたいと思っているのも
変わってないから……」
『今度は、わたしも、がんばります』
「え?」
『前は、荻野さんだけが
わたしの思いを変えるために
がんばってくれました。
わたしは何もしてなかった……
だか、今度は、わたしもがんばります。
一緒にいられるように』
*