き み さ え い れ ば 。

少しの間、沈黙に包まれた。


あぁ、やっぱり、
こんなときに言うことじゃなかった。
今さら言うことじゃなかった。

そう思っていたら、


「春佳は、それでいいのか?」


荻野さんが口を開いた。


『どうゆうことですか?』

「春佳の気持ちは嬉しい。
俺のこと、ちゃんと考えてくれてるんだって
わかったのも嬉しい。
でも、俺と一緒にいたら
また先のことを考えさせて
無理させるかもしれない。
嫌な思いさせるかもしれない。
俺が春佳のこと好きなのも
一緒にいたいと思っているのも
変わってないから……」

『今度は、わたしも、がんばります』

「え?」

『前は、荻野さんだけが
わたしの思いを変えるために
がんばってくれました。
わたしは何もしてなかった……
だか、今度は、わたしもがんばります。
一緒にいられるように』



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