き み さ え い れ ば 。

5月になり、
ひとつの仮説は
益々、真実味を帯びていった。

でもそれは、わたしにとっては
避けたいことだった。

荻野さんを仲のいい大切な先輩としてしか
見ていなかったわたしにとって、
恋愛感情が絡んでくるのは
面倒でしかなかった。

付き合ったことがないわけでは
なかったけど、
付き合った彼氏には
ことごとく浮気されて別れていた。

だから、これ以上、
誰かと付き合って裏切られることなんて
考えたくなかった。


それに……

あまり連絡を取りたくないとか
インドア派で出かけるのが苦手とか
荻野さんとは真逆の自分が
好かれるとは、思えなかった。


でも……



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