き み さ え い れ ば 。

たまに、喧嘩のようなこともした。

とはいっても、
荻野さんが声を荒げることはなく
ましてや手をあげることもないから、
一方的にわたしが不機嫌になって
何も悪くない荻野さんが謝る
という感じだった。

謝ってばっかりなのも、
理不尽なことを言われてるのに
怒らないのも、
わたしのことを思ってのことなのに
そうゆうところが嫌なの!と
言ったこともあった。


「春佳相手には怒らないよ」


なんて言われたら、
どうしても怒らせてみたくなった。

ほかの人だったら
絶対に怒りそうなことを
わざとやったりした。

それでも荻野さんは本当に怒らなかった。



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