き み さ え い れ ば 。

もう、無理だと思った。

ここまできたのに。

今まで知らなかった感情を
知ることが出来たのに。
荻野さんとなら、と思い始めていたのに。


荻野さんがモテるのは
わかりきっていた。
今回の告白現場はたまたま見ただけで
きっと今までにも何回も
告白されているんだと思う。

それを断っているのは
わたしと付き合っているから……

わたしがいなかったら
その人と付き合って
幸せになれてたんじゃないの?

そんな大切なチャンスを
わたしは何回潰してきたの?


友達の結婚は嬉しいことだった。

中学生のころからの大切な友達で
心から彼女の幸せを願った。

わたしに付き合ってる人がいると
知ったときも、
自分のことのように喜んでくれた。
今度、紹介してね!と言われていたし
そのことを荻野さんに話したら
荻野さんも会ってみたいなと
言ってくれていた。



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