き み さ え い れ ば 。
あれが嫌これも嫌と
どれだけわがままを言っても
文句ひとつ言わずに
合わせてくれる荻野さん。
でも、荻野さんが欲しいものを
わたしは何ひとつあげられていない。
「'俺は、それでもいい。
春佳がそばにいくれるだけでいい。'」
『わたしが……嫌です』
変わるかもしれないと思っていたものは
何も変わっていなくて、
きっとこの先も変わらないと
わかってるのに。
それでも一緒にいる意味が
わたしには、わからなかった。
*