き み さ え い れ ば 。
縮まる距離
彼……荻野さんのことを知っていくと、
本当は気さくな人だということがわかった。
厳しいのは仕事のことだけで
ほかは意外と優しいしおもしろい。
休憩時間が重なれば
何かと話しかけてくれたし、
仕事に関することを
誉めてくれることも極稀にあった。
「なぁ、このゲーム知ってる?」
ある日の昼休み、
荻野さんがおもむろに携帯を取り出して
見せてきた。
『あー!知ってます!』
気にはなっていたけど
やっていなかったゲームだった。
「これ登録して、
仲間に入って欲しいんやけど?」
こんな話がキッカケで
連絡先を交換することになった。
*