き み さ え い れ ば 。
(わわわ、)
ビックリしたけど
タイミングがあったのが嬉しくて
少し笑ったら
荻野さんの目線はすぐにそらされた。
まるで目をあわせたくなかったかのように
素早くそらされた。
『……あ、』
ズキッと心が痛んだ。
付き合っていたから
特別だと勝手に思っていた。
荻野さんはずっと優しかったし
どんなわがままも笑って許してくれた。
別れた今も関係は変わらず
その優しさに甘えていた。
荻野さんからの初めての小さな拒絶は
予想以上に鋭く、わたしに突き刺さった。
*