き み さ え い れ ば 。

『荻野さん……』


小さく声をかけながら
陰から出ていった。


「っ、高山……?なんでここに?」

『すいません……
奥の部屋にいて、出るに出れなくなって』

「あぁ……」


それきり荻野さんは黙ってしまった。


『タバコ……吸うんですね』

「ん?あぁ……やめてたんだけどな」

『身体、大丈夫ですか?』

「問題ない。
さっきの話、誰にもするなよ」

『わかってます』


気が抜けているのだろうか……
最近よく聞いていた
キツい言葉使いがなくなっていた。



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