正義は誰が決める?


さて、車を降りてショッピングモールに入ったのはいいものの、どこに行くのか全く決めていなかった。


それを決めるためファーストフード店が集まってる広場みたいな所で話し合った。


最初は清の買いに行くか、愛空の服を買いに行くかで迷った。

結局、愛空の服を買いにファン&ドリ(fantasy&dream)と呼ばれる人気洋服屋へ行くことになった。


俺的にはファン&ドリの服って苦手なんだけどな。ヒラヒラしすぎてあまり好きになれない。


まぁ、愛空は似合うと思うけど。

昨日、抱いて帰った時も手を握った時も感じた細すぎる愛空の腕は女子の理想なんだろうな。

男からしたら不健康に見えて、もう少し太ってほしいものだけど。

愛空は細すぎて病気じゃないかと思うぐらいで、少し心配だったりする。


「……愛空、ハーフ?」


「あ、え?突然、ですか?」


「……うん」


何の前触れもなく唐突に。本当に唐突に疑問をぶつける清。

それに戸惑う空愛と飲んでいたコーヒーを噴き出しそうになった俺。

コーヒーが気管に入って少し噎せた。


清が愛空の髪をずっと見ていたのはこの事を聞こうか聞かまいか迷ってたんだね。

突然過ぎて驚いたけど興味を示してる自分もいる。


「え、と色んな国、の血が、入って、ます。
お、おじいちゃんもおばあちゃんもハーフ、で。父さんと母さん、もハーフ、だから、クオーター、なのかな?です」


「…愛空、綺麗な金髪」


「うん、綺麗だ」


清の言う通り愛空の髪は金髪の上に綺麗なストレート。

今まで金髪の髪は何度も見たけどここまでサラサラの髪は愛空以外見たことない。


それに加え地毛らしい。

なんか俺、髪フェチみたいだな、と1人、自問自答の末、落ち込んでいると負けじと清に何かを聞こうとしている愛空。

いや、そもそも戦ってなかった。


「……清、さんの髪は?」


「……私は、クオーターなの」


「成、さんも?ですか」


「俺は違う。清とは腹違いだから」


「腹違い、ですか」


「……ん、腹違いは、父親が同じ、母親が違う、兄妹」


「そう、なんだ。だから、2人は、仲いいの?」


「幼い頃から清と2人だったしね。
当時はお互い愛情ってのを知らなかったから親近感が湧いていつの間にか一緒にいるのが当たり前になってたんだ」


愛空の質問(?)に答えつつどこかソワソワしている清。

その視線を追うと白羅の幹部様達。


「……ねぇ、」

「うん、仕方ないね。先にご飯にしようか」


不服そうに頷いた清にアレの前で買い物できるの?と聞いたところ、全力で首を振られた。

そんなに否定しなくても、と思ったが言ったところで白羅への不満を語られそうなので黙っておいた。


「ご飯、ですか?」


コテン、と首を傾げる愛空。
この動作もしない方がいいって教えなきゃな。


「うん、ごめんな?先にご飯食べに行こう」


戸惑う愛空の手を引いて先に歩いて行ってしまった清の後ろを追った。


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「焼肉、串かつ、パスタ、お好み焼き、うどん、喫茶店、どれにする?」


「…パスタ」


「私も、パスタ、です」


二人ともパスタってある意味すごいね。
この二人、実は姉妹です。とかありえそう


そんなくだんないことを考えながら家族パスタと書かれた店の中へ入る。


中は案外暗くて真っ暗って訳じゃないから心地いい


近くにいない限り相手の顔も見えないし隠れ家的な雰囲気だ。

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