正義は誰が決める?
次、ここに来る時もここで昼ごはん食べよう。なんて思いながらパスタを1口。
うん。美味しい。
清と空愛が頼んだのは明太子パスタだった
客観的に見てみると清と空愛は違うようで同じなのかもしれない。
いつの間にか空愛の前で自然な笑顔を見せる清。
なんか今、父が娘を嫁に出す時の気持ちが分かった気がする。
……………我ながら気持ち悪いな。取り消そう
ふと、周りを見ると何故かチラチラ見られていた。
変装したとしても注目されるのは変わらないか。少しでも誤魔化せれば、と被った黒髪のウィッグの毛先を弄りながら密かに耳を澄ませた。
「ね、あの人凄い美形」
「わ、ホントだ」
「あの2人のどちらかと付き合ってるのかな?」
「でも、なんで3人なんだろう?」
「私、あの人見たことあるよ」
「嘘!?どこで!?」
と、正体はバレていないみたいだけど注目を受けていた。まぁ、そうか。清も愛空も美形だしな。
美味しそうにパスタを頬張る愛空を見ていると、清の冷ややかな視線を受けた。
苦笑しながら首を振ればフッと鼻で笑われた。
「そろそろ出ようか」
パスタを食べ終わった2人に声を掛けると清は素早くカバンを持った。
愛空はコップに入った水を飲み干して清の後を追う。
と言っても店の前で待っていてくてるけど。
レジを済ませて外に出ると運悪く白羅の幹部達と遭遇。
固まる愛空と鋭くなった清の瞳。
清は個人的に白羅が嫌いで、愛空はいきなりの大人数に怯えてるって感じかな?
淡い紫の目が綺麗だなぁなんて思いながら白羅の存在は無視していた。
チカチカと光ってメールが届いた事を知らせるピアノの音だけが冷えた空間に響いた。