正義は誰が決める?
付かず離れずの関係
ピピピッピピピッ
機械の電子音を背に、PCから視線をそらした。
目覚まし時計の針が午前4時を示していて。
あれから4時間も経ったことが伺える。
流石にぶっ通しはやり過ぎたかな。
頭が痛い。
画面向こうの相手に寝ることを伝えてPCの電源を切った。
7時までは3時間、か。
うん、十分。
ふぁぁ、とあくびを零して、明かりの漏れるリビングのドアを開けた。
中には誰もいな……いや、いた。
スースー可愛い吐息をたててソファで眠る清。
そっと頭を撫でると猫のように頬を擦り付けてきた。
「……んぅ……」
「あ、起こした?」
「……ん、だ…じょ…ぶ」
寝ぼけてるのか滑舌の悪い清は可愛くて、ギュッと抱き締めると抱き締め返してくれた。
「ベットに行こうか」
「……ぅん」
弱々しい返事だけど、俺の服を握って離さない清はまるで赤ちゃんで。
愛空に話した腹違いの事だって、清からしたら少しでも嘘が混じってるんだから、とても辛かっただろう。
來夢だって、ずっと清を見てきたんだ。
昨日の清が可笑しかったことぐらい気付いているだろう。
なのに、何も言わないのは來夢なりの優しさか、清の口止めか。
前者であることを願おう。