青の、果実。

「おばぁちゃん幡山くんいるかな?
体調悪いって皆が言ってたから。」



「いや、渚は、体調は良いんだけどなぁ。」



おばぁちゃんが少し濁らして言うもんだから
不思議に思った。



「そっか、良くなったならいいんだ…。」



「明日には学校行かすけん、
マコちゃんが心配することじゃなかよ。」


おばぁちゃんが優しく微笑んでくれて
安心しつつ
わたしは手に持っていた大きい袋を
カウンターに置いた。



その瞬間、ドタドタと二階から降りてくる階段の音が響いた。



< 105 / 123 >

この作品をシェア

pagetop