青の、果実。
「あー、そういや今日マコんちで晩御飯食べてこいって母さん言ってたから。
部活終わったら行くわぁ。」
「さおりさん今日も夜勤なの?
忙しいね、本当に。」
さおりさんとは、光太郎のお母さんの事。
町の小さな病院で看護婦をしていて
いつも忙しそうに仕事をしている。
「おー。だからちゃんとおとなしく待っとけよ。」
「はいはい、わかったわかった。」
わたしは光太郎の話を流しながら
一応教室の掃除道具箱やロッカーの中もチェックしてみる。
そんな中にあるわけ無いだろって
言いながら光太郎は廊下へ出て行ってしまった。
光太郎のバッグにぶら下がっている
サッカーのスパイクがチラリと横目に見えた。