青の、果実。
「せっかく作ったのに勿体無いだろ。
だから俺が食べといたから。」
彼は正気なのだろうか?
優しさなのだろうか?何なのだろうか。
「えーとー、これは、ありがとうって言うべきなのかな?」
「黒川さ
お弁当あるなら誘い断ればよかったんじゃないの?」
今日のお昼の会話を見られていた、という事に少し恥ずかしくなった。
幡山くんは笑わずに、
あのいつものクールな表情でわたしを見つめる。
「あ、気付いてたんだ…。
でも約束してたから。」
うん、約束を忘れたわたしがいけないんだ。
だから今日のは仕方が無かった事。
「黒川って帰り道どっち?
横田町のバス停前の駄菓子屋通る?」
「あ、うん、通るけど…。」
「じゃあそこまで行くか。」