青の、果実。
「おい、おっせーよ、マコ!」
光太郎の大きい声が家のドアを開けた瞬間に、響いた。
「わ、あぁ!ごめんなさい!
ただいまです!」
「おー、お帰り。どこ寄り道してたんだよ。」
リビングにはもう部活を終わらせたのか
制服姿の光太郎と
料理の支度をしているお母さんが居た。
「光太郎こそ早くない?部活いつももうちょっと遅いのに。」
「今日はミーティングだけで
練習無かったんだよ。俺はマコの方が先に家着いてると思ってたのに。」
そんな私達の会話を聞いて
お母さんはキッチンでくすくすと微笑んでいる。