青の、果実。
「また古谷達と、駄菓子屋か?」
「え!あ、うん、そうそう。
レイナちゃん達に行こうって誘われてさ。」
わたしはリビングのソファに
鞄を置いて、中からお弁当箱を取り出した。
それを見るなり光太郎は嬉しそうに笑ってくれた。
「あったのか!良かったじゃん。」
「うん!良かった。」
わたしはそれをキッチンの流しに置こうとして
さっきまでの事を考えていた。
幡山くんってば、一体何を考えてるんだろう。
本当に不思議な人。
「あ…。」
幡山くんのおばぁちゃんが駄菓子屋の
おばぁちゃんだと言うことを
思い出したわたしは、つい声を漏らしていた。
「あのねっ!光太郎!
そう言えば凄いんだよ!駄菓子屋のおばぁちゃんのお孫さんが
転校生の幡山くんだったの!凄くない?」