青の、果実。
それを聞くなり
光太郎は、ぶすっと嫌な顔をした。
「幡山渚の?なんでお前そんなこと知ってんだよ。」
そうだった。
光太郎は幡山くんの事をあまり好きでは無かった。
そんな事を思い出しては今日の事、
より一層言えなくなった。
「あ、えーとね、
今日駄菓子屋行った時にさ、たまたま幡山くんが帰ってきて。
それでびっくりしたって話…な、わけです。」
ふーん。と口を尖らせて
光太郎はだいぶ不機嫌そうだった。
「幡山くんって、あの都会から来た転校生のって前、噂してた子よね?」
お母さんがテーブルにお皿を持って来ながら口を開いた。
「うん!」
「はい!」
光太郎と返事が被った。これはいつものこと。