青の、果実。
「それだったら、あんた達
昔よく遊んでたじゃないの〜。
覚えてないのかしら?
名前は忘れちゃったけど駄菓子屋のお孫さんなら、確かにその子よ。」
くすくすとまたお母さんが笑い出した。
「え!!昔?!
わたし達が、幡山くんと?」
「そうよ〜。まぁ四、五歳の時だしね
一年に数回だったから
記憶ないのかもしれないけど。
駄菓子屋さんの前でよく遊んでたわよ。」
サッカーしてたり公園で遊んでたりね
マコが怪我した時は
よくその子が助けてくれてたわよ。
って、お母さんは言ってた。
「嘘だろ。俺、あいつ嫌い。
それが本当でも昔は昔。今は今、だからな。
時効切れだわ。」
光太郎は訳の分からない事を言って
テレビのリモコンを付けた。
まさか幡山くんと昔に出逢っていたなんて。
本人は知っているんだろうか。