青の、果実。

晩御飯が終わると光太郎は
いつもわたしの部屋に来てゲームや漫画を見て行く。



今日も同じようにわたしのベッドを
占領していた。



「光太郎、宿題やろうよー。
明日またわたし当てられそうだもん。」



「おー、これ読み終わってからな。」



はあ、と一つため息をついた後
光太郎の携帯のバイブが、ブーブーっと鳴った。



「…っげ!!!」


携帯を見るなり、光太郎は嫌な顔をした。


「なによ。」


「マコ、古谷になんか言った?
メール来たんだけど。」


ずいっと目の前に携帯のディスプレイを見せられては、
大きく古谷レイナ、の文字。

その下には

“光太郎、宿題終わった〜?キラキラマーク三つ〜そして顔文字〜”

と、言う内容であった。




思わず画面を見てわたしは、ぷっと笑う。
レイナちゃんらしいや。


そう言えば今日メールしてみようかなって話してたもんな。
本当にするんだもん、すっごいよレイナちゃん。


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