青の、果実。
「ほんとあったかくなったよなー。
まだ夜は肌寒いけど。」
わざと光太郎が体をブルブルと
震わせるものだから、つい笑ってしまった。
「光太郎、シャツ一枚じゃ寒いでしょう。
わたしの貸そうか?」
紺色のカーディガンを指差すと
光太郎は横に首を振った。
俺が着るとマコのが伸びる、だなんて
少しは気を遣ってくれているのだ。
夜の潮風とこの数少ない灯りが
わたしはずっと大好きだった。
コンビニに着くなり
わたしはチョコレートアイスを買ってもらった。
それも一番高いやつ。