青の、果実。

まぁ、それはわかるけど。
って、言ったら光太郎に殴られた。



「いった〜い!」

つい手に持っていたアイスを落としそうになった。




「俺は、残るよ。」





「へ?」




「この町が、好きだから、ここに残る。
それに…。」



光太郎が何かを言いかけて
わたしは、ん?っと顔を光太郎の方に向けた。



「…なんでもねぇよ!ばーか!」


「あっ、ひっどーい!」


光太郎が先に走っていくのを必死で
追い掛けた。

いつも足が速くて追い付かないけど
こんな風に笑いながら制服で海沿いを走るのが、

ずっとずっと、続けばいいな。
って思っていた。



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