青の、果実。
「マコ、また明日ね〜!」
「ばいば〜い、マコ!」
レイナちゃん、美羽ちゃん、奈子ちゃんとは帰りの方向が違うから
あまり一緒には帰らない。
「あ!うん!ばいばい!」
廊下に出た三人は
ねぇ、今日どこ寄るー?と楽しそうに話していた。
わたしは帰って宿題でもするか。
ふぅ、っと一つ深呼吸をして席を立てば
幡山くんが目の前を通り過ぎるところだった。
「ばっ、ばいばい!幡山くん!
また明日ね。」
わたしが声を掛けると、きょとんっとして幡山くんは立ち止まった。
あれ、わたし何かまずいこと言ったかな。
「黒川、今日は何か予定あるの?」
「え、いやないけど…。」
すっごく甘い匂いがする。幡山くん。
「ないんだったら、行くぞ。」