青の、果実。
「え、ちょっと…?!
幡山くん!?」
幡山くんはわたしの手を取り
早足で歩き出した。
「どこ行くの?幡山くん。」
握られた手が熱い。
「どこっていい場所だよ。これからのお楽しみ。」
体育の授業終わりで
わたしは汗でべっとりなのに
それを感じさせない涼しげな幡山くんは凄いなって思った。
学校を出て何も話すことは無く
幡山くんは海沿いの道を歩いて行く。
心無しか、少し機嫌が良さそうに見えた。