青の、果実。

「さてと、次は駄菓子屋に行かなきゃな。」




一つ荷物が減ったからか
さっきよりも足取りは軽かった。


幡山くん居るかな、なんて考える。




お家から徒歩約九分程。

ひょこっと駄菓子屋を覗くと
いつもおばぁちゃんが居るカウンターの席で幡山くんが座っていた。




「あれ、幡山くんだ!」


「お〜黒川!遊び来たのか?」




幡山くんは頬杖をついていた手を外し
カウンター越しからわたしに手を振る。




「あれ?なんで?
おばぁちゃんじゃなくて幡山くんがお店番してるの?」



「あぁ、ばぁちゃん病院行くから
今日夕方から頼まれてたんだ。」



なんだ、そうだったんだ。
幡山くんがボケーっと外を覗いていたものだから
くすくすと後から笑いが込み上げてくる。



「店番が無かったら
一緒に帰ろうって言いたかったんだけど。
ごめんな。」


申し訳無さそうに笑う幡山くんが
凄く愛おしかった。



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