マリオンの塔の物語
私は、同じ人間に出会えたことにほっとしていた。
少年に満面の笑みをむける。
「僕の名は、エリオットだ」
「…そう。どうやってここへ来たの?」
「…え、わからない」
私は、自分の身におきたことを、
不思議そうにこちらを見つめている少年に話した。
「……僕は、たしか家の窓から落ちたんだ。そして気が付いたらここにいた」
「……なにそれ」
少年は信じているのかいないのか、あいまいな笑顔を浮かべて、つぶやいた。
そして続ける。