【完】すき、好き、大スキ。
「お前、本間に阿呆」
ポンとあたしの頭に乗った璃久の掌に、ボッと顔から煙が出るかと思った。
テーブルに肘を付き、頬杖をついた格好の璃久が顔を傾けながらクスッと笑う。
サラサラのハチミツ色の髪が、少し眼鏡にかかる。
え、これって……。
すっごい良い雰囲気じゃない!?
えっと、あっと。
ドキドキドキドキドキ。
大きく跳ねる心音は猛スピードだけど一定のリズムで。
準備は出来ていないけど、いつでも大丈夫!
変なところは、ないはず。
ギュッと目を閉じると、人影があたしの前を覆うのがわかった。
き、きた!
いつでもいーよ、璃久。