【完】すき、好き、大スキ。
「わっ!」
横に居た璃久の肩を押し、
その場へと押し倒したあたし。
何の抵抗もなかった璃久は、
女のあたしでも簡単に押し倒せた。
ドンッと鈍い音を立てて倒れた璃久を上から見下ろすと
「いってぇー」
そう少し涙目になった璃久があたしを見つめ返す。
ドキドキドキドキドキ……
心臓は今までにないくらいに煩い。
だけど、ここまでしたら引き返せるわけがない。
少しずつ璃久との距離を狭めていくあたし。
さっきの半分くらい近付いたところで、
璃久の眉間に皺が寄るのが見えた。
でも、止めれない。
どんどん近くなる、あたしと璃久の距離。
ここまでしといて何だけど。
有り得ないくらいに恥ずかしい。
心臓は口から飛び出しそうだし。
顔は真っ赤、以上だと思うし。
だけど……