【完】すき、好き、大スキ。
「おい」
当たり前かもしれないけど。
後少し、そんな時。
璃久の腕が伸び、手であたしの肩を抑えた。
距離を縮めていた、あたしの体が止まる。
そして、真っ直ぐに見つめられた目に
「何すん?」
低い声に。
「キ、キスしようって思って」
視線を逸らして呟いた。
そう言うと、あたしの肩を抑えていた手が緩んだから、
あたしはてっきりOKの合図なんだって。
勘違いしちゃったんだ。
「えぇ加減にしとけよ」
少し怒った声と同時に、
ドンッと押されたあたしの体。
璃久の力になんて叶うわけもなく、あたしは簡単に尻餅をつくくらい飛ばされてしまった。